collaborationU

† 025:剣 (7/7)





「あ…気が付いたか?」

うっすらと力なく開いた少女の目に、ジェレミーの明るい笑顔が映った。



「あ、あなたはあの時の…
ここは…?私は……」

「あんたは、あれから高熱を出してな。
医者の話によれば、肺炎になりかけてたらしいぞ。
とにかく助かって良かったな。」

「そうだったんですか…本当にお世話になりました。」

少女は、ジェレミーに向かって細い手を差し伸べた。



「気にすんなって!」

その刹那、少女の手を握り締めたジェレミーの表情が、急変した。



「あ…あんた、まさか……!」

泥を綺麗に拭い取られたその手首には、あどけない顔の少女には不似合いな刺青が彫りこまれていた。
ひしゃくの形をした珍しい形の刺青が…







ジェレミーの推測通り、少女は北斗七星の巫女の一人だった。
彼女の回復を待ち、ジェレミーは、地図を見せその場所を少女に尋ねた。
少女は神託を降ろし、ある地点を指定した。

ジェレミーはその言葉を信じ、言われた場所へ赴き、少女の言葉通りにそこで番人の剣を手に入れた……








「何かうまいものを食べさせてくれ!」

麓の町に辿り着いたジェレミーは、小さな食堂の窓際の席に着いた。
席に着いてからも、ジェレミーは何度も腰の剣を眺め、込み上げる喜びを微笑みに変えた。



(おまえには本当に苦労させられたな。)

心の中で呟きながら、そっと鞘に手を伸ばす。



父の遺志は遂げることが出来た。
だが、ジェレミーは不思議と旅を終える気にはなれなかった。
それがなぜなのか、ジェレミーは目を閉じ、自分の心に問いかける。



(おやじの夢は叶える事が出来たのに、なぜ、俺は家に戻る気になれないんだろう?
……そうだ…!
これまではおやじのための旅だったからだ…
そして、これからが俺の旅なんだ…!!)

すっきりと晴れた心の靄に、ジェレミーの瞳は輝く。
何が待ちうけるかわからない未来への期待が、胸の中で弾けそうになるのをジェレミーははっきりと感じていた。


- 7 -
前n[*][#]次n


⇒しおり挿入 ⇒レビュ投稿
/30 n

⇒作品艫激rュー
⇒モバスペ脾ook


<<Back